うずらまん「ぎょぎょ〜む日誌」

おはようからおやすみまでできるだけ楽しくと願う、うずらまんの日記。

大国町というと靴のアポロ

▼昨日の夕方の雨は、極端に強烈だった。会社を出て、最寄り駅の〔鴻池新田〕まで歩くだけで、ちゃんと傘を差しているのに、びしょ濡れになった。文字通りバケツをひっくりかえしたような雨で、というかバスタブを引っ繰り返したような雨だった。傘を差していても顔に雨がかかるのである。もうどうしようもない。

▼昨日は細々した仕事があり、それで時間もとられたので、全く書き込みができなかった。そういう時は、気分的にもちっとも余裕がないので、疲れも一層ひどくなる。

▼最近、角川春樹事務所が角川書店とは別に本を出している。ボクの中で角川春樹自体のイメージはダーティなままだが、直接自分にかかわる人物ではないので、まあいいだろう。で、出している本がけっこうよかったりするので、この間も二冊ほど買い求めた。
 〔ランティエ叢書ソウショ〕というシリーズで、サイズは文庫タイプのハードカバーである。活字も文庫よりやや大きめで、書籍用紙を使っている。この本は、岩波が文庫を創刊したのと同様の思想で企画された。現代の名作を末永く収録するというのだ。今、三冊が配本されている。そのうちボクは大好きな池波正太郎の『江戸前食物誌』と串田孫一の『山歩きの愉しみ』を買った。どちらも随筆のアンソロジーだ。
 『江戸前食物誌』はタイトル通り〔食〕に関するエッセイばかりを集めたものだ。だが、この中の収録分はもう全て既に読んだものばかりである。ではなぜ買ったのかというと、ボクは手当たり次第に池波本を読んでいるので、後で、
「あ、あの一節が気になるなぁ…」
 と思ってもどの本に書いてあったのかわからないということがよくある。ちょうど探していた一節がある分が載っていたし、何度読んでも面白いものはおもしろいのである。
 『山歩きの愉しみ』は〔山〕に関するもの。串田孫一という作家のことは前から気になっていたが、まだ一冊も読んだことがなかったので、アンソロジーというのは手始めにちょうどよい。〔山〕というのはボクの憧れのひとつでもあるし、読んでいてとても清々しく、そして心が喜んでいる。本日はこれを鞄に放り込んで、電車読書の友とした。
 この叢書の装丁がまたいい。文庫サイズのハードカバーと、シンプルなデザインの表紙カバー。書名、著者名とこの叢書マークのスカラベなどを罫囲いにして上半分に置いてあるだけだ。表紙カバーの紙は植物繊維をすき込んだ自然な風合いのもの。とても上品である。そして、帯(腰巻き)がその下半分を覆う。帯としては大きいが、ここには飯野和好のイラストがカラーでドーンと載っているそして、この帯はPP加工(ビニール貼り)に鳴っているのだ。カバーにはPPしてないのに帯にするとは本末転倒ではないのか!と思うかもしれないが、これカバーのためのカバーの役目にもなっているのだ。読むときは楽しいイラストを見ながら、読みおわれば帯は外して本棚に上品な表紙カバーで飾る…というコンセプトなのだろう。値段も1000円と買いやすい。今後どんな作家を、どんな作品を収録してくれるか楽しみだ。

 今朝、新聞の三面記事であの『岸和田愚連隊』の著者・中場利一覚醒剤所持の現行犯で逮捕されたと写真入りで報道されていた。『岸和田〜』と言えばナインティナイン主演で映画化されたよなぁ。
 彼は、ボクが『本の雑誌』を読んでいたころ、読者欄に投稿して、その変わった生活ぶりなどで、椎名誠らが妙に気に入ったらしく、そこから『本の雑誌』で連載を持つようになり、作家となった。だが、一面、彼は投稿時代からその話は眉唾なものが多く、明らかに作った話を「こんな不思議な人がいた」とかって平気で書いていたりして、胡散臭いヤツと我が家では相手にしないことにしていたのだ。

▼今日は午後から、大国町に行く。別に靴のアポロに行くわけやないねんで。フォントメーカーのモリサワに行くのだ。ポストスクリプトフォントがなんか新しくタイプが変わるらしくその関係の内容とAdobeAcrobat PDF関係の話。