▼ なんとか14時18分、家を出ることができた。茨木から高速に。乗り継ぎ橋に向かおうとするが、表示に一切〔明石海峡大橋〕という文字がなく、橋のマークと〔徳島〕とあっただけなので、見落としてしまう。これはわかりにくい。
明石海峡大橋を渡り淡路サービスエリアで昼夕兼帯の食事後、鳴門大橋を渡る。ちょうど午後のうずまき時間に当たっていたらしく、左手眼下に渦潮が数個見える。
徳島に入り鳴門市野の〔大毛の浜〕にオートキャンプをしているワンボックスを見つけ、我々もここにテントを張る。ほんのわずかの黄昏を浜で遊ぶ。やがて夜は足早にやって来た。
ピッチで天気予報を聴いてみる。DDIは圏外だったが、NTT DoCoMoは辛うじてアンテナマークが立った。
「明け方にかけて雨。所によっては雷をともなって強く降るところもあるでしょう」
そして満潮は午前4時ごろだという。我々がテントを張っているところから波打ち際まではそう遠くない。ということは満潮時にテントが冠水する危険があるのだ。だがヒヨコは、
「大丈夫だいじょうぶ。けえへんって、ここまで波」
と至って呑気だ。
日没と共に就寝したが、少し早すぎたので、子供二人と散歩する。近くのホテルから出て来た家族連れなどが海岸で打ち上げ花火をして楽しんでいた。それを横目で見ながらずっと進んでいくと、道路になにやら仏像がある。普通はお地蔵さんとかが多いが、ここは不動妙王だった。
テントに戻って横になるが、暑さと激しい波の音と増々重く垂れ込める雲によってボクは全く眠れなくなってしまった。時々フッと身体を起こしてはキョロキョロ辺りを見回す。これをミアキャット状態という。下の娘・うずらカラザも家に帰りたいと泣き出した。