うずらまん「ぎょぎょ〜む日誌」

おはようからおやすみまでできるだけ楽しくと願う、うずらまんの日記。

愛宕神社へ#2

愛宕通りには目立ったビルが二つある。そして、道を挟んで向かい側に高さは低いがなにやら由緒正しそうなビルがあった。
 二つのタワービルを通り過ぎるとビルとビルの狭間にひっそりと、愛宕神社の参道。ひっそりと存在しているが驚異の姿をしていた。石段が尋常ではないほど急なのである。角度は45度はあるだろう。なんだ大したことないじゃないかと数字を見ただけだと思うかもしれないが、実際に上ろうとしたら“上る”というより“登る”という感じになるのはすぐにわかると思う。自動車の登坂能力でも45度は登れないはずだ。
 この石段を上ると出世するという。家康の江戸開府にあわせて作られた神社でありこの石段も家康が最初に上ったらしい。僕は自分が出世にはあんまり縁がないような気はしたが、とにかく上ってみた。お年寄りだとここは絶対に無理だと思う。ゆっくりゆっくりと上っていくにしてもちょっとバランスを崩して後ろに反り返ってしまったら、下まで石段を階段落ちである。途中に幅広の部分などないから一気にしたまで落ちる。
 僕の後からも観光客であろう数人の茶渋色の熟年たちが上ってきた。神社は小じんまりしていたが、特に真っ赤な門が印象的だった。実は僕がインターネットをはじめたころ、この神社のホームページを見つけ、e-mailを送ったことがある。この神社は池波正太郎の時代小説にも登場するので注目していたからだ。あのとき返事をくれた人はいるのだろうか。少し気になったがもう随分前のことなので社務所にたずねることもやめておいた。