うずらまん「ぎょぎょ〜む日誌」

おはようからおやすみまでできるだけ楽しくと願う、うずらまんの日記。

枚方の大屋敷と子供を叱るということ#1

▼今日も涼しい朝。日中はそこそこ暑くなるようだが、朝晩だけ涼しかったらそれでいい。
 今日は森博嗣著『すべてがEになる』を読み終えた。これはWebで連載されていた森さんの一九九八年の日記。その十一月二一日の記述に「11時頃、スバル氏と青の6号名神高速道路を西へ走ります。(中略)2時過ぎに大阪の枚方に到着。」とあり、知人の家のオーディオルームを見せてもらい、さらに「一度お好み焼きを食べに枚方駅まで歩いて出ました」と書いてあるのだ。て、これうちの近所ちゃうのん?
 この訪ねた家というのが“木造のヨーロッパタイプの住宅”で、“地下には100人に抗議できる部屋”があるらしい。あっ! ちょうどこの記述にぴったりの家を思い出した。枚方市駅に歩いて出られる距離。う〜ん、決め手となる根拠は弱いが、とてもビビッと来てます来てます!という感じで思いついた家が一軒あるのだ。
 こんなのはたまたまの偶然で、そりゃ日本に住んでいるのだから訪ねた先が読者の地元だということになるのは確率は低くてもあり得ないことではない。取り立てて喜ぶことでも何でもない、ということはわかっているのだがやはりなんとなくうれしかった。僕はこの森さんはこの日記を読んで初めて知ったのだ。大学の先生で一方でミステリィ作家。Macユーザでなんとなく僕とよく似たものの考え方と好み…ということで、とても興味を持っていたところへ枚方市駅前徒歩お好み焼きである。
 日記が面白いのでまず間違いないとは思っていたが、それでも用心して小説はまだ読んでいなかった。で、先週、木曜日の仕事の帰り(あ、忘れていた木曜日の行動の一つを思い出した)に森さんの短編集『地球儀のスライス』を買ってみた。最初の一編を読んでみたが、これが抜群に面白かった。綺麗なミステリィで、切ない物語。ファンタジーも少し入っていて、短編の切れ味もすばらしいものだった。この作家は僕にとって大当たりだった。これから少しずつ作品を読んでいこうと思う。