▼西暦変換しますと2013年9月6日12時35分、無事タイムワープに成功し(笑)、見てきた劇場版『タイムスクープハンター』だけど、このシリーズの基本はタイムワープして人の営みを記録すること。主人公の沢嶋が所属する第2調査部では特に歴史上のスターを取材するのではなく、一般人。このことを、映画化するからといって安易に超えてしまって、歴史上のスターを出したり、有名俳優やアイドルを大挙させたり…ということをせずに、フェイクドキュメンタリーのまま突っ走ったのが実に良かった。
テレビシリーズの基本構成や登場人物は全く変えずに作っているところが良い。それでいて、映画としてのスケールの大きさ、迫力、リアルさが増している。そう、この映画の未来機器を描くCGのリアル感は素晴らしい。描写に重さや光の質感が十分考慮されている。だから絵空事に見えない。
安土城の外観もCGで作ったとあるが、全くCGには思えない。つまり、そこに存在する感じがしたのだ。これでもかこれでもかと見せつけるCGは見てると飽きてしまう。この映画のような溶け込んでしまうのがCGの正しい使い方だ。だから映画の中身に違和感なく入っていけた。
ストーリーも音楽もキャスティングも、目を剥くようなことがなく、自然にマッチしている。テレビを映画化するときに、いろんなところから入り込むノイズというか商売上の思惑というのは作品には悪影響しか与えないのだが、そういうものが一切影響していない。いや、それはそれなりに含まれているのだろうが、全て溶け込んでいるのだ。
パンフレットを買ったが、表紙込みで44ページ。これは写真も読み物たっぷりでうれしい。値段分以上の中身がある。作品を作る人と同様のテンションでこのパンフレットも編集されていることがわかる。デザインや装丁も良い感じだ。
今日、劇場で見ているとき、エンドロールで席を立って行ってしまう人たちがいた。でも、映画はそこで出て行ってはいけない。安土城焼失の謎の答えのヒントがエンドロールが流れる横に出る映像で示されているのだ。これから見に行く人はこれを見逃すな!