▼昨夜は竜串海岸の爪白キャンプ場で泊まった。朝から恐竜の骨の化石のような竜串の岩場を散歩して観察。これがまたとてつもなく広くて、また複雑な造形。自然のなせる一種のポップアートである。わびさびもある。すばらしい。観ていて飽きない。ああ、立体カメラを持ってくればよかった。とりあえず手ステレオで写真を撮っておく。
端まで見て、今度は遊歩道を帰る。途中に中国風建築の土産物屋。二階以上は〔サンゴ博物館〕になっているという。建物は荒い造りだが、看板の揮毫がすばらしいとヒヨコの鑑定。サンゴ博物館は“文部省指定”と書いてある。文部省指定と言っても博物館という名前を使える、ということだけらしい。三階には珊瑚細工の虎…虎の首やおびえた猫のようなの、七福神のようなもの多数、なぜか名古屋城などなど並んでいた。ようするにこれは下の土産物で珊瑚細工を買わせようというための作戦その1なのではないか? 順路通り二階に降りるとこちらはちょっと博物館らしい展示になっていた。しかし、昔の未来世界のような透明カプセルに入れられ、色とりどりの趣味の悪い照明をあてられて展示されている珊瑚はなんだか哀れな気がした。
次のブースでは本来ならば人が通ると次々に映像が映写される仕掛けになっているようだが壊れていてただの闇。海底を再現したジオラマも手前の厚さ十センチぐらいに本当に水を入れて、下から泡を出しているのだが、水が減って水面が見えてしまっているので水が入っているのは十センチとわかってしまうのだ。他にも漁場のジオラマでボタンを押すとランプがつくようになっているものがあったが、電球はすべて切れていた。文部省指定はこの二階部分のことらしいのだが…。だいたい今、文部省なんてないぞ。
快適なキャンプ場で離れがたかったが、帰りのこともあるので徐々に東に進んで行かねば。昼から移動。今夜は桂浜の隣の海水浴場もできる公園〔種崎千松公園〕でキャンプする。テントを張っていると地元のおじさんらしき人が通りがかり、
「よけいなことかもしれんけども、こう方向にテントを張った方が風のある日は涼しいよ」
と教えてくれる。
ガソリンをJAのスタンドで入れる。くじ引きで末等の砂糖。花火セットを子どもたちにくれる。