うずらまん「ぎょぎょ〜む日誌」

おはようからおやすみまでできるだけ楽しくと願う、うずらまんの日記。

シャンハイ・ヌーン#2

▼他にもこの手のイライラはたくさんあったが、そんなことはこの映画の評価のマイナス要因では微々たる物だ。
 一番の減点は、アクションの撮り方がまったくダメということ。アクション、特に今回の成龍のアクション監督には元彪ユンピョウが参加している。だから今回成龍は足技をかっこよく決めるシーンが多い。けどこれをかっこよく見せる撮り方がぜんぜんできていないということが一番ダメダメダメだ。
 ロープを使った小技の連続のシーン。成龍はああいう小技の積み重ねを面白く演出するのが好きそうなのだが、それもぜんぜん面白く見えるように撮れてない。
 カメラが普通の目の高さから、標準レンズで“素”な撮り方しているだけなので、ぜんぜん迫力ある画面に見えないのだ。
 C級の香港映画でもこんな撮り方はしない。あれじゃぁせっかくのくるくる回るきれいな足技がただの小手先のアクションに見えてしまう。思い切ってアングルも換えたりしながら、使うときは広角レンズを使って多少の画面的デフォルメをしなければならないのだ。それは物量的に爆発や着弾の火花の派手さで勝負するハリウッドのガンアクションとちがうのだ。生身の人間がやっているマーシャルアーツなのだ。そこを監督は全然わかっていない。
 あと、カット割りもへたです。カンフー基調のアクションの撮り方の基本は、「タン、タン、タン」の三拍でカメラを切り替えるのが基本。長回しは一番の見せ場だけ。そうやってテンポを作っていく物なのだ。それもわかっていないから、アクションが重くそしてダラダラダラダラします。あとハリウッドの限界なのでしょうが、安全圏の内側でのアクションでしかないというのが見ていてわかってしまい、がっかり。