うずらまん「ぎょぎょ〜む日誌」

おはようからおやすみまでできるだけ楽しくと願う、うずらまんの日記。

不思議不思議摩訶不思議ルゥワ〜な自転車

▼今日も残業をしたので疲れちゃったなぁ。昨日もだったし。
 今朝、面白いものを見かけた。会社のすぐ近くだったのだけど、一人の冴えないおじさんがサイクリング車(自転車)でス〜イスイとボクの横をすり抜けていった。流行りのマウンテンバイクではなくて、ドロップハンドルのサイクリング車なのだ。けどその漕ぎ方が変だったのだ。ふつう自転車というのは、右足をくるりんと回してその反対側の左足もくるりんと回す。常に左右の足は反対側の前後というか上下というかとにかくそういう関係にあって、回転しながら進んでいく。けどそのおじさんのサイクリング車は右足が前、左足が後ろというペダル位置が一定なのだ。角度にして5度ぐらいを上下往復運動させるだけで漕いでいる。
 確かに、スピードがちょっと出すぎて調整するときにちょっと足したりするのでそういう漕ぎ方になる場合はあるかもしれないが、これが平坦な道にも係わらず、ずっとそのままの漕ぎ方なのだ。だいぶ先の喫茶店の前でおじさんは自転車を降りて、施錠してその店に入った。
 ボクはそこを通りかかり、その自転車をチラッと見た。するとどうだろう。自転車のチェーンは一周回っていないのだ。一周の上半分しか、チェーンがない。そして変速ギアのあるところに何か仕掛けがある。
(あ!)
 ボクは思い当たった。そう、この独特の漕ぎ方は、このチェーンにヒントがある。そしてこのようなチェーンを使った乗り物をかつてボクは見たことがあるのだ。
 日本テレビ系列の子供向けドラマ『少年探偵団』を覚えているだろうか? そうキャロライン洋子のお兄ちゃんが、小林少年をやっていた、そして"帰ってきたウルトラマン"団次郎怪人二十面相をやっていたあのドラマだ。ボクが小学校6年の時だから、昭和50年ごろだろうか。あのドラマの中で少年探偵団BD7(ビーディーセブン)のメンバーたちが乗り回していたのが、今回の自転車と同じシステムを使っていた乗り物であった。それは!
『ローラースルー・ゴーゴー』
 である。このローラースルー・ゴーゴーはTの字型の前部ハンドルと前輪が二輪、そして後輪が一輪のスケーター型補助漕ぎ漕ぎシステム付きの乗り物である。後輪部分近くに小さいTの字のペダルがあり、これを足で蹴ることによって、走っているスケーターが止まりそうになるのを、補助させることができる。しかし、これ単独で漕いで走ることは無理だ。それだけのパワーは出ないし、早く走りすぎていると、このシステムではもっと早く走るように足すだけの追いつきができないのだ。あくまでも補助的なシステムである。
 これを自転車に取り付けたというのはいったいどういう意味があるのだろう? さっきも言ったように、足の動きは5度程度である。だから平坦な道ならこれでもなんとか走ることができよう。しかし、これが一旦上り坂に変わったときには、たぶん登ることはできないだろう。ギア比とて普通の自転車とそう大差ないはずだ。普通の自転車でもかなりの負担になる上り坂では、あの程度のストロークで得る動力では到底太刀打ちできない。
 そこで、ではなぜこの不自由なシステムの自転車に、あのおじさんがこだわっているかということである。こだわってないかもしれないけど(^_^;)。考えられるボクの推理は次の3つである。
(1)おじさんは街の発明家であり、自分で作った手前、それを使わないわけにはいかない。
(2)おじさんは実は足が不自由で、普通の自転車を漕ぐことができないので、特別あつらえの自転車に乗っている。
(3)おじさんはこれが普通の自転車だと何の疑問も抱かず信じて乗っている。(つまり誰かのワナでモルモットにされている)
 さて、いったいどれが正解だろうか?