うずらまん「ぎょぎょ〜む日誌」

おはようからおやすみまでできるだけ楽しくと願う、うずらまんの日記。

高野山へ#2

▼ここで、お寺コミックス『石堂丸』加藤直・絵/高野山・刈萱堂刊/400円を購入。僕の一〇八あるといわれる趣味のうちの一つ、それが「お寺コミックス」集めである。神社仏閣のお守りなどを売っている売店で売っている、とても古くさい絵柄の漫画がある。描かれたのはひょっとして戦前ではないか?と思われるようなものもあり趣深い。とにかくそのお寺ならお寺、そこで有名なお坊さんならお坊さんのエピソードが要領よくまとめられているし、絵柄や印刷などを干渉するのも非常に趣深いのだ。『石堂丸』の絵はたぶん戦後のものだと思う。『ゴルゴ13』などのハードな劇画の影響を受けている感じがするが、コマによってかなり絵柄にばらつきがあるので、よく見ていないと人物が誰が誰かわからなくなってしまう。
 ストーリーは九州のある殿様が、山で急速に立ち寄った小さな家で、かつての父の友人の娘と出会う。殿様が自分の屋敷にその娘をお側女として迎える。奥方と仲良くしているように見えるが実は二人はいがみ合って、それを知って自分の罪を恥じ、仏門に入る殿様。側女は奥方に暗殺されかかるが刺客か側女の腹に殿の子が宿っているので、斬らずに逃がす。そして、その子(父の幼名を受け継いで「石堂丸」と名付けられた)が母と高野山で上人となっているという父を探しに旅に出る。そして女人禁制の高野山へ、麓に母を残して単身で石堂丸が入っていく。訪ねた先で出会った僧が父であったが父はすでに世を捨てた身であるので、父とは名乗らず、父は死んだと話す。麓に帰ると急病で母は死んでしまっていた。天涯孤独となった石堂丸は先に出会った僧を訪ね父母を弔うために弟子にして欲しいと頼む。そしてこの父と子は一生親子の名乗りを上げずに仏門で暮らすのである。この親子で大小の地蔵菩薩を彫り、それが今も刈萱堂にあり、今も親子地蔵として祀られている…という話だ。