うずらまん「ぎょぎょ〜む日誌」

おはようからおやすみまでできるだけ楽しくと願う、うずらまんの日記。

The Famous 1938 Carnegie Hall JAZZ CONCERT

▼作家 池波正太郎さんが愛聴したという、1938年のまだクラシックのコンサートホールだったカーネギーホールで行われた、ベニー・グッドマンカーネギー・ホール初出演のジャズコンサートの幻のライブ盤LP『The Famous 1938 Carnegie Hall JAZZ CONCERT / Benny Goodman』の2枚組。

 聴いてみたくなってこれをCDで入手。CDも2枚組。中古で入手したのだけど、ほぼ新品だった。このアルバムはレコード用に録音されたものではなく、ラジオでマイク一本で生中継されたものが放送局で記録としてとりあえず録音されていたから残っていたもの。それを音源にしているという奇跡のレコード。この時代だからテープはないのでおそらくカッティングマシンで音盤に直接録音されたのだろう。レコードのプチプチノイズ入りはご愛嬌。

 Facebookのお友だち三浦さんによると「大型のディスクに録音されたと聞いていますが、Vディスクと同じ12インチだとして録音時間が8分ぐらいだから、もっとデカイのかもしれません」とのこと。

 MINI仲間の五十嵐さんは「クラッシックの殿堂であったカーネギーホールの歴史的なコンサートライブですね。特にシングシングシングは、今聴いても圧巻です。DVDのベニーグッドマンストーリーもいいですよ。ライオネルハンプトンや往年の名ジャズメンも多く出演。スィングジャズが単なるダンスミュージックから鑑賞するものに転換するのを物語る場面もあります」という。

 僕のような人生の重みがないものにはジャズはまだ無理だろうと思っていたが、考えれば人生も折り返し地点を随分と過ぎた。もうそろそろ聴き始めてもバチは当たるまい。


▼間にミステリーが3冊ほど挟まりましたが、ここんところ通勤読書は、池波正太郎のエッセイ集『新年二つの別れ』(朝日文庫)を読んでいました。この朝日文庫池波正太郎のエッセイシリーズはどうやら2つのシリーズがあるようで、どれを持っているのかがなんか混乱していて今困ってます(笑) どちらのシリーズも池波さんが亡くなった後に、今までに発表されたエッセイ集や未収録のエッセイから編み直しているので、すでに他のエッセイ集で読んだことがある内容のものもあるし、初めて読むものもあります。池波さんの文章は何度読んでも面白いのでこういう本もありがたいです。
さて、この『新年二つの別れ』は発行されてすぐ入手して読み始めて途中で放置されていたのですが、また頭から読み直しました。比較的若い頃に書かれたものが多く収録されていました。池波さんは主に時代小説や歴史小説で活躍されましたが、映画好きとしても知られており、洋画をたくさんご覧のようです。エッセイにも映画の話は出てきますし、映画日記のような本もあります。
古いハリウッドやヨーロッパ映画をよしとして、新しいのは批判的かというと全くそんなことはなく、SFでもアクション映画でも面白いものはお好きのようで、実にモダンな人だったのだなぁというのがわかります。僕が本当に池波さんの本を熱心に読むようになったのは池波さんが亡くなってからなのですが、早逝されたのは残念です。
 食通でも知られる池波さんですが、何年か前、どうしても池波さんの足跡を辿りたいというか、正直を言うと真似をしたいというか(笑)、東京に行った際に、池波さんのなじみのお店を訪ねてみました。
といっても僕はお酒は飲めませんし、自由に使えるお金も潤沢にあるわけではありません。だけど池波さんも僕らが行きやすいお店にも行ってらしたみたいですね。休業中やたまたま定休日だったので洋食のヨシカミや金鮨は場所を確認できただけだけど、銀座の資生堂パーラーでは緊張しながらオムライスを食べ、浅草のアンヂェラスではコーヒーとケーキを。神田のまつやは天ぷらそばの天ぷらのボリュームに驚き、フルーツパーラー万惣でホットケーキ。実際に入ってみることができたお店はこれぐらいでしょうか。万惣はもう閉店してしまったんですね。もう一度行ってみたかったのになぁ。
店に入っても僕は特にお店の人に池波さんのことを尋ねたりはせずに淡々と時を過ごすだけなんですけど。また行ってみたいなぁ。というか、大阪や京都にも池波さんのなじみのお店が実はけっこうあるんです。東京の方は行ってるのにこっちは全然行ったことがない(笑) ぼちぼち訪ねてみましょうか。まずは今宮神社のあぶり餅でも。
 今日ネットを彷徨っているうちに、池波さんの家を見つけてしまいました。東京の品川にあります。閑静な住宅街の中、エッセイでも書かれていますが庭をつぶして三階建てにしたと。小さな敷地です。Googleストリートビューでは真ん前の道には入っていけません。ちょっと離れたところから望むという感じでしか見られませんが、なるほどこの家かとすぐにわかりました。
夫人も数年前に他界されたとのことで今はどなたもお住まいではないようです。であれば、ファンとしてはお宅の前を通るぐらいは許されるだろうと(勝手に)思いますので、いつか訪ねてみたいと思います。前を通って、池波さんの散歩されたであろうコースを探してみたいと思うのです。